当事務所はプロダクトデザインに関わるを中心としているので、これまで様々な工業製品の開発の機会に触れてきました。
スタートが自動車メーカーでのデザイナー職だったことや、ワタシ個人が『人の移動』中でも個人の移動ということに関心が強いこともあり、自動車関連だったり車椅子のようなものだったりと乗り物系(?)は多い分野ではありますが、様々な機器類や事務用品やお茶のペットボトルといったもののデザインなどもやったりしています。
そんな中で、ご相談いただく内容の最近の傾向として、製造装置、実験ラボなどで使われる機器など、これまで性能訴求のみでデザインに対してあまり目を向けられていなかった機器や分野の方からの、お問い合わせやご相談が少しずつ増えてきているように感じます。いくつかいただいたご相談ごとに共通しているは、単に今あるものの外観上からの「見た目」を何とかしたいということに留まらないこと。
これから作る製品について、新たな顧客層を獲得したいといったことや、自社の市場でのポジションをより高めたいといったことに、デザインを上手く使うことが必要なのではないか?という問題意識や期待感を持って、相談に来られているあたりは、変化を感じます。
『デザインをもっとちゃんと使おうよ』『自社の在り方として、デザインを選ぶ基準を持とうよ』『デザインも経営資源としてちゃんと意図を持って使おうよ』、といったことを言い続けながら、デザインやものづくりに関わってきたので、この変化はこれから楽しみです。