微細・精密プレス分野での金属加工業である株式会社キョーワハーツ。様々なメーカーからの受託加工を本業とする同社が、オリジナル自社製品として開発したのが、全く新しい方式によるファイリングシステム【NOUQUE】です。当事務所は、初期のコンセプト開発段階から関わらせていただいています。
2穴パンチで穴をあけた書類を綴じて保管するファイル製品としては「パイプファイル」や「レバーアーチファイル」などが従来からあります。これらのファイルは書類を綴じたまま保管する用途では不具合がありませんが、頻繁に抜差しが多い用途では中間に綴じた書類が扱いにくいということがあります。NOUQUEは書類を綴じる綴じ足の断面形状と開閉メカニズムを自社開発したことで、どの位置からも抜き差しが自在なファイルが完成しました。
いわゆる町工場など受託加工や部品製造を中心とする企業は自社ウェブサイトで製造事例を公表できないものがほとんどです。このため自社オリジナルの最終製品開発をするプロジェクトにおいては、その製品での収益性も勿論ですが、本業の技術カタログとしても機能する要素をデザインに込める様な提案をします。NOUQUEにおいても、製品の核となる開閉機構の操作ノブを「無塗装/ステンレス製/自由曲面で構成する」といったプレスに技術を要する要素を採り入れています。