当社はクルマやモビリティをはじめとした工業製品の開発支援のみならず、伝統工芸技術を活用した製品開発支援も行っています。
2021年からは(公財)東京都中小企業振興公社様の東京の伝統工芸事業者への支援事業である 【「東京手仕事」プロジェクト】での商品開発プロジェクトにおいて、商品開発アドバイザーとして関わらせていただいています。
この「東京手仕事」プロジェクトの商品開発は、伝統工芸技術を活用しながら現代の暮らしにフィットする商品開発を目的として、伝統工芸事業者と外部のデザイナーを主とするビジネスパートナーとの協働チームにより商品開発が進められます。
商品開発アドバイザーは開発商品が事業者の未来のビジネスへと繋がるよう、チーム組成へのパートナー選び、開発スタート後の製品企画支援、スケジュール管理や改善へのアドバイス、場合によっては事業者とパートナー(デザイナー)とのコミュニケーションの仲立ちなど、担当するいくつかの開発チームの商品開発を、伝統工芸事業者とパートナーに伴走しながら商品化までサポートを行っています。
東京手仕事ブランドサイト
ORIGAMI BEKKO JEWELRY ~ べっ甲 イソガイ ~
江戸末期のべっ甲工房 「伊勢元」 にルーツをもつ 『べっ甲イソガイ』
浅草と亀戸天神前に直営店舗を構えるべっ甲イソガイが取り組んだのは、紙のように薄くしたべっ甲のしなやかさや透け感を活かしたジュエリーでした。一枚のべっ甲を折り紙のように折ったり曲げたりして立体的にしていくというテーマで15種類のアイテムを開発しました。
既存のべっ甲商品づくりでは、何枚ものべっ甲を重ね合わせて厚みを増やして様々な製品へと加工していくこと多いのに対し、ORIGAMIではどこまで薄くしながら製品として成立させるかという逆のアプローチでの試行錯誤を、製作者、パートナーのデザイナー、アドバイザーとで知恵を出し合いながら商品化を進めました。
2021年度 東京手仕事選定商品
<商品紹介ページ>
製作者:株式会社イソガイ(べっ甲イソガイ) 磯貝 剛 氏
ビジネスパートナー: KAWABUCHI DESIGN OFFICE 川渕 好美 氏
印伝のルームシューズ ~ 印伝矢部 ~
印伝矢部は1924年(大正13年)に創業し、印伝伝統工芸士に認定された職人がいる東京では唯一の工房です。同時に漆付けから商品製作まで一貫して行う東京で唯一の印伝工房でもあります。
既存の商品としては財布やバッグなどの服飾小物を中心に展開している印伝矢部が、ビジネスパートナーとの協働でチャレンジしたのは、未経験のルームシューズでした。これまでの服飾小物とは異なる点として、ユーザーの身体との関係性で商品の評価も変わるということがあります。
開発においては、履いた時、歩いてみた時のフィーリングや安全面での印象なども試作を重ねながら詰めていきました。同時に縫製や耐久試験、サイズ決めの指針といった機能面での作りこみにおいては、東京都立皮革技術センターや東京都立産業技術研究センターなどの公的機関の支援も活用しながら商品化を進めました。
製作者: 有限会社 印伝矢部 矢部 祐介 氏
ビジネスパートナー(デザイナー): EETY / 一般社団法人MEWO 友岡 洋平 氏